多分書庫

飽きるまで読書感想文書きます

さよならの言い方なんて知らない。5

 

 

 

読み終わった。

 

いい。すごくよかった。まさか香屋が冬間に作られた存在だったとは…。だから香屋は冬間のヒーローで憧れで美しさだったんだなあ。

河野さんのサクラダリセットと階段島が合わさった感じ、というか。河野さんの文章の綺麗さとストーリーテラーとしての構成力のうまさが掛け合わさって架見崎シリーズは本当にすごい作品になっていると思う。

架見崎の真実とヘビの投入、今までの四冊は壮大なプロローグだったのかもしれない。これからどうなっていくんだろうっていう期待とか、そもそも敵だと思っていたものは何だったんだという放心みたいな気持ちがすごい。

なんというか、本当に良くて面白さと文章の丁寧さが同時にやってくる感じ。たまらなくて、本を読んでいてよかった~ってすごく思う。

 

何気に月生が一番好きなので、死んだのかと思ったときはこっちも死にそうになった。というか銀縁が死んじゃったよ…。なんでぇ…。

月生が電車にある人が乗っているのではと信じ、ホームで電車を待つのがきゅってなった。自身がプログラミングされた存在であることを知りながら、たとえ死んだとしても電車がやってくるならそれでいいと思う月生。

 

自分が生きている世界が誰かが実験を行うために作り、誰かが自分たちの動きをずっと見ているんじゃないかとかそういう想像をするのが結構好きで定期的にするんだけど作られた存在の死生観とか生き死にって作った側からしたらどうでもいいことなんですよね。
ただの数値で作られたものが生きようが死のうが知ったこっちゃない、みたいな。それがパンという存在で。

 

ゼロ番目のイドラという単語を最近どこかで読んだよな、と思ったらサクラダリセットだ。サクラダの三冊目を最近読み返して、その時にケイが春埼にいったロボットの原則?のゼロ番目だ。単語としては多分違うけど、意味としては同じ感じだったと思う。

サクラダリセットもめちゃくちゃ好き。相馬菫という少女について何度も考えるし、ケイと春埼の関係性とか、この三人の関係性とか、咲良田という街についてとか。

 

河野さん勝手に三角関係好きだな、とか思ってる。主人公が一人の少女を崇拝し、その主人公を愛するけどその愛情は届かない少女の関係性めっちゃ好きだから何回読んでも刺さる。届かない深い愛情が好き。架見崎もそうなるんだと思ってた。

 

 

次回作が早く読みたいなあ…。